2014年 第6回かながわ新聞感想文コンクール

小学5年生の部 優秀賞

ALL FOR ONEが持つ力
川崎市立宿河原小学校
松葉 隆太郎

 「嵐」でも「AKB」でもないけれど、ぼくには好きな歌があります。
 「一人の小さな手 何もできないけど それでもみんなの手と手をあわせれば何かできる何かできる」。この新聞記事を読んだ時、ぼくはこの歌を思い出しました。
 それは、電車とホームのすき間にはさまれてしまった女性が、駅員や乗客によって助け出されたという記事でした。最初、2人の駅員さんが女性をひっぱり上げようとしましたがうまくいきませんでした。そこでとっさに一人の駅員さんがすき間を広げようと電車をおしたのです。たった一人の力では持ち上がるはずのない電車をおしたのは、女性を助けたい一心だったのだと思います。きっと、出来る、出来ないなんて考えていなかったのだと思います。
 その様子に気づいた乗客たちが続々と集まって「せーの」のかけ声に合わせて電車をおしたところ、32トンもある電車がかたむき、女性を救出することができました。たのまれたわけでもないのに手伝った乗客たちもまた、女性を助けることだけを考えていたのだと思います。約40人で32トンの電車をかたむけたということは、単じゅんに計算すると一人当り800キロもの重さをおした事になります。理屈や常識では考えられない力を発揮できたのは、一人の命を助けたいという思いに、みんなの心が一つになったからだとぼくは思います。人間ってすごい力をもっているんだなと少し不思議な気持ちにもなりました。女性が助けられた時の拍手や歓声が、ぼくにも聞こえるような気がして、ぼくも思わずガッツポーズをしてしまいました。
 ぼくがもしこの電車に乗り合わせていたら…一番にかけつけて電車をおしたいです。まだチビだけど精一杯、力をこめておしたい。あきらめないでおしたいです。
 ぼくは学校で、自分には関係のない事にも首をつっこんでトラブルになってしまう事がよくあります。お母さんにはそれで怒られることもあるけれど、ぼくは見て見ぬふりなんて絶対にできないし、したくないのです。先生たちも、「周りで起きている事に関心を持って自分から関わろうとする態度はすばらしい事だよ。」と言ってくれます。
 ぼく一人ではできない事がたくさんあります。そんな時は友達や家族、周りの人たちの力を借りてがんばります。反対に周りに困っている人がいたら、真っ先に手を差しのべたいです。

課題(1)(読売新聞 7月31日付)
「電車押す輪 自然と/JR南浦和駅 女性救出」


小さな平和を広げる
横浜市立東希望が丘小学校
小林 開輝

 この記事は、太平洋戦争の原爆によって亡くなった佐々木禎子さんの記事だ。原爆による放射線を浴び、十年後に白血病になって亡くなった。禎子さんは入院中、自分の病気が治るように、家族の借金が早くなくなるようにと祈りながら千数百羽もの鶴を折った。
 禎子さんは原爆により病気になったのに、原爆を落としたアメリカをうらまなかったという。ぼくはすごいと思った。そしてなぜアメリカをうらまなかったのかを考えてみた。禎子さんはアメリカをうらんでも病気は治らないと分かっていたのかもしれない。また、もしうらんだらふくしゅうしたくなり、ふくしゅうされるとまたそのふくしゅうをしたくなるというように、ふくしゅうが絶えず、また戦争になってしまうと考えたのではないか。ぼくは今まで、友達がぶつかってきたら、「ふざけるなよ。」と押し返していたけれど、これからはうらんだり仕返ししたりするのではなく、自分の気持ちを静かに相手に伝えようと思う。
 また、ぼくは平和について考えてみた。ぼくの考えでは、平和とは戦争がなく、みな平等で、みんなが幸せであることだと思う。ぼくはこの中の「幸せ」と、「平等」の二つのキーワードに注目してここでの意味を考えてみた。でも、考えてもよく分からなかったので、お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんの考えを聞かせてもらった。すると、納得できる答えを見つけることができた。「平等」とは、みんなの我慢する量がほとんど同じになる事だと思った。我慢する量を同じにするには、相手のやりたいことを理解しようとする姿勢を持ち、また自分の意見を相手に伝えて話し合えばいいと思った。「幸せ」は、みんなの生活で毎日つらいことはあっても、理不尽な悲しみがないことだと思った。
 禎子さんの兄、雅弘さんは、「悪いのは戦争をしようとする心。人をうらむような気持ちは忘れて、一人ひとりが思いやりの心を持ち、小さな平和を広げることが、大きな平和につながると思います。」と話していた。ぼくはよく友達とちょっとしたことでけんかをしてしまうので、人のいやがることをやめ、人の喜ぶことを進んでできる人になりたい。そうすることで、小さな平和になると思うので、その小さな平和を広げて大きな平和につなげていきたい。

課題(1)(朝日小学生新聞 8月6日付)
「折り鶴にこめた思いやりの心/きょう広島原爆の日」

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