2014年 第6回かながわ新聞感想文コンクール

小学5年生の部 優秀賞(神奈川新聞社賞)

震災時に飲料水を
厚木市立小鮎小学校
安倍 立矩

 「消火栓で飲料水を?」。僕はこの記事を読んで最初に、消火栓って何だっけ? と思ってしまいました。名前から何となく赤のイメージはできたのですが、その先が思い浮かばなかったのです。消火器ではない「消火栓」とは何か、とっさには分かりませんでした。
 この記事には、横浜市がこれから実験しようとしている、震災時に消火栓の水を飲料水として利用することについて書かれていました。
 消火栓は、道路に埋め込まれていて、火事の時にそこから水を取り出して放水し、消火活動をするために作られた設備です。調べてみると、消火栓の水は、私たちが飲料水として使っている水道水と同じものなのだそうです。横浜市には、緊急給水栓の数の十倍以上にもなる、五万三千ヶ所に消火栓があるそうで、震災時にそれらが水道の代わりになるなら、多くの人々が救われると思いました。
 防災対策として、町には貯水タンクが設置されています。ぼくの住む厚木市にも、ぼうさいの丘公園に三百トンもの水を蓄えるタンクが地下に埋め込まれていて、常に新鮮な水が確保されているそうです。けれども、もしも震災時にそこまでたどり着けない人はどうなるのでしょうか? 誰かが運んでくれるのを待つしかないのでしょうか?
 昨日の夕方、僕は姉と一緒にランニングをしました。蒸し暑さのせいもあって、ちょっと脱水状態になってしまい、水がとても飲みたくなった時、僕はちょうどこの記事のことを思い出しました。「水が欲しい時、水道などの水を手に入れる手段が近くになかったらどうなるのだろう?」と考えたのです。水は命に関わる大事なものなので、一刻を争うことも十分に考えられます。そこで、今回の記事にあるような、消火栓を有効に活用して、多くの人々に水を配る試みが行われるのだなと、改めて思いました。
 横浜市はこれから、消火栓の位置や、使用する時に使う蛇口の貸出方法、訓練方法などを検討する、ということが記事に書かれています。この検討は東京都に続いて行われているそうですが、この記事を読んだ人が協力して、横浜市だけではなく、私たちの住む厚木市、神奈川県、そして日本全国で、このような準備が早くできるといいなと思いました。
 そして私たちは、身近にある消火栓の場所を覚えておいたり、運用方法が決まったらその使い方の練習をしたりするなど、準備をしなければならないと思いました。

課題(1)(神奈川新聞 8月5日付)
「消火栓で飲料水確保/震災時、横浜市が検討」

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