2014年 第6回かながわ新聞感想文コンクール

中学1年生の部 最優秀賞

コラムから広がる新聞の世界
湘南白百合学園中学校
林 久美

 家のポストから新聞を出すのは私の役割だ。いつもの通り、届いた夕刊を取り出し、何気なくその一面を見ると「カレーライスをたどって1」というタイトルが目に入った。今日の夕食はカレーライスもいいな、などと思いながらその記事を読んでいった。家庭のカレーでは当たり前に使われているルーの話だった。ふーん、そうだったんだと新しい知識が増えてちょっと物知りになった気分だった。カレーライスというあまりにも日常的な食べ物ひとつをとってもこんな時代背景や商品として売り出す苦労があったということがわかったからだ。この記事は連載らしいので次の「2」も続けて読みたい気持ちになった。
 新聞が伝える最も重要なことはその日にあったニュースを伝えることだ。その点ではテレビやインターネットのニュースとも共通しているが、それらとは何かが違うのが新聞だ。ニュースを伝える速さはテレビ、ネットにはかなわない。けれど出来事を伝えるだけでなく、より詳しくきちんと説明する力が新聞にはあると思う。それには字を読んだり言葉を理解できるようにならなければいけないので国語の勉強が必要だ。また本を読むのと同様、日頃から興味ある記事をきっかけに新聞に親しんでいけばだんだん新聞の広い内容も理解できるようになると思う。
 新聞は大きな紙面をパラパラとめくって読む。だから読みたい記事があればそれを探して読むがそうでないもの(実はそれが大部分なのだが)も自然に目に入ってくる。政治、経済、文化、家庭、科学、教育などテーマごとほぼ同じ場所にいろいろな情報が毎日載せられている新聞。自分の身近な場所や関心があることなどが書いてあると自然に熱心に読むことができる。しかし全く知らなかったことや偶然めぐりあって初めて興味を持ったことでも実際に読んでみると自分の心の世界が広がったり、考えさせられることもある。
 カレーライスの記事のような連載のコラムはドラマの続きを楽しみにするのに似て、次回を読む期待感がある。新聞を読みこなすには膨大な時間と幅広い知識が必要で今の自分では到底それは無理だがこのようなコラムは新聞にはたくさんあるのでその中から自分にも理解できそうなものを選んで読み続けていくのも新聞に近づく第一歩になると思う。
 「カレーライスをたどって」は6回のシリーズでレトルトの開発話、明治初期からの日本人との関りなどと続き、最終回。カレー料理の本場インド文化は「多様性を許容し、ゆるやかな統一性がある」言わば「何でもありなのだ!」とし、日本のカレーも正統派を名乗れる。と締めくくっていた。母が市販のルーににんにくやワイン、辛味スパイスを加えて作る我が家のカレーも認められた気がした。

課題(1)(朝日新聞(夕刊)8月16日付~)
「カレーライスをたどって1~6」

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