2014年 第6回かながわ新聞感想文コンクール

中学1年生の部 優秀賞(神奈川新聞社賞)

障害者支援と企業
神奈川県立平塚中等教育学校
中谷 ふみな

 私が、この記事を選んだ理由は、学校のある平塚市のスーパーしまむらで、同じ市内にある知的障害者施設の人達が一生懸命仕事をしている写真が載っていたからです。
 学校の登下校で使うバスには、障害者の人達が沢山乗ってきます。今まで障害をもった人達は学校で授業を受けているのかと思っていましたが、この記事を読んで働く喜びを味わい生き生きと仕事に励んでいると書いてありました。障害をもった人達も自立して社会参加することで喜びを味わえる事を知りました。そしてスーパーもチーム制のため欠勤がなく複数の作業を任せる事が出来て、雇用管理の負担が軽くなり、何より働くことに喜びを感じる障害者の姿があるようです。
 私の父と母の会社でも障害をもった人が働いているようです。父と母に聞いてみたところ、やはりとても真面目で頼んだ仕事は、きちんときれいに仕上げてくれるそうです。頼んだ仕事を仕上げると「次、何かやる事ありますか。」と、楽しそうに仕事をしていると聞きました。今までの自分の考えとは違っていて驚きました。
 また、雇用しているスーパーしまむらではパート従業員の退社が続き、人手不足になったのをきっかけに障害者の社会参加、就労訓練の場を得られ、収入の確保にもつながる事で、自立を手助けできるよう考えているそうです。作業としては、清掃、商品陳列、袋詰めなどでパートさんに比べれば作業はゆっくりだが、真面目に一生懸命働いていて従業員の見本になると喜んでいるようです。
 その中で、スーパーしまむらは、「在宅就業障害者特例調整金」をスーパー業界で初めて受給する事になったのです。
 初めて聞いた言葉「特例調整金」とは、主に雇用契約による就労が困難な障害者が働く機会を増やすため、企業側には年間支払い工賃百五万円ごとに六万三千円(報奨金は五万一千円)が支給される制度です。このような制度があるのも知りました。この制度が始まってから五年間で調整金と報奨金を合わせ全国で自動車会社など、わずか四十五件しかないようです。
 スーパーしまむらでは「施設外就労」を行い、本年度に支払った工賃が八月に入り規定額を上回ったため、この制度を利用しスーパー業界で初めて受給することになったのです。この制度を利用すればスーパーと障害者共にメリットが多くあるように思います。特に障害者をサポートしている方は「障害者が大きな声であいさつをしながらお辞儀ができるようになり、できる仕事の種類が増えるなど、成長を実感する瞬間が喜び」と語っています。できなかったことができるようになるのは、とてもうれしいことだと思います。
 しかし、この制度を利用している企業は全国で四十五件です。なぜそんなに少ないのでしょうか。私は、企業側、障害者側共にメリットがあるので利用した方がいいと思います。この制度を知らない企業も多いのかも知れません。何より障害者の喜びの声が多い事に驚かされました。真面目に一生懸命生き生きと仕事をしている姿が、社員のお手本になると思います。「障害者施設外就労」が、もっと全国に拡大して健常者、障害者を差別なく働ける企業が増えると、もっといい日本になるのではないかと思いました。

課題(1)(神奈川新聞 8月14日付)
「スーパー初の調整金/障害者施設外就労」

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