2014年 第6回かながわ新聞感想文コンクール

中学3年生の部 優秀賞(神奈川新聞社賞)

新聞でつながる心
厚木市立相川中学校
藤田 果歩

 それは新聞の一面の四分の一にも満たない小さな小さな記事でした。その記事は新聞の地域欄に載っていた、巨大な青龍を大人から子どもまで、引っ張っている写真でした。何の変哲もない写真。私が新聞を読んでいるとき、その写真に目が止まった理由は塾で知り合った友達の一言でした。
 「今日、村でお祭りがあるんだ。」
 その一言がそのお祭りの写真を見たとき、ふと蘇ってきたのです。私が知っている友達が住んでいる村の情報といえば、「私たちの住んでいる場所までたくさんの時間がかかる」「村なので人口があまり多いほうではない」。こんな二つの情報しか私は知りませんでした。もちろん、お祭りのことなど全く知りませんでした。
 その新聞の記事には、「夫婦竜を村の児童や村の中学生の生徒らが『わっしょい、わっしょい』の掛け声とともに引っ張り―」と書かれていました。友達もそんな風にお祭りに参加していたのかなと思うと、なんだか私まで嬉しくなりました。そして、私はまた一つ、「雨乞い伝説の伝統の祭り、青龍祭」が村の情報として加わったことに誇らしくなりました。
 私は普段、あまり新聞を読むことがありません。読んだとは言っても、父が朝読んだ新聞がたまたまテーブルに置いてあったときにパラパラとめくって眺める程度です。そして「新聞はこの二十年の間でなくなるのでは。」というテレビの放送を私は目撃しました。それは近年増えている電子書籍の影響です。確かに電子書籍には利点がたくさんあります。新聞では小さすぎる文字を拡大できたり、新聞よりも手軽に読める点など。でも、私はそのテレビの放送を見ていて、いつか電子書籍が当たり前となってしまったときのことを考えると悲しくなりました。新聞の心地良いずっしりとした紙が電子書籍の機械の重みに変わったとき、やはり、人々は喜ぶのでしょうか。私はいつまでもいつまでも新聞が日本の文化としてこれからも色々な情報を発信し続けていってほしいと今回のお祭りの記事を読んで特にそう願っています。私自身もこれから新聞を読む機会を増やし、スポーツ・経済もちろん地域のことなどどんどん知識を増やしていきたいです。
 次に塾の友達に会ったら、村のお祭りが新聞に載っていたことを伝え、「青龍祭」についての話をたくさんできたらなと思っています。

課題(1)(神奈川新聞 8月11日付)
「夫婦滝 練り歩く/清川村 伝統の祭りにぎわう」

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神奈川新聞社
かながわ「新聞感想文コンクール」事務局
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