神奈川NIEミーティング

NIEミーティング議事録 2015年3月20日(金)

NIE全国センター会議室場所 NIE全国センター会議室
参加者数 15名
司会 有馬進一
記録 國分誠(横浜国立大学院生)
内容
1.参加者による「本日の新聞」紹介
オバマ夫人との会合(女子教育について)、川崎生徒殺害事件(13歳のSOS)、チュニジア・テロ、三浦市議会、地下鉄サリン事件から20年、横浜はつまらない、洋上風力発電、マンホールデザイン、安保問題、認知症
2.本日の報告
報告者:関信助先生(川崎市立菅生中学校)

実践報告

 新聞作りをすることの意味は民主主義にある。みんなが知っていること、みんなが知ることができること、自分の意見が言えることが民主主義の基本であり、新聞はこの3つの原則を実現するための大きな役割を果たしている。

 また、新聞の役割として以下の5つを上げる。

  • 報道力:学校やクラスでの様子を広く他学年や課程、地域に知らせる
  • 提言力:学校(学級)の問題点について取材、調査し、問題提起をして学校(学級)をより良くする
  • 編集技術力:新聞の作成を通して作成技術の向上を図る
  • ニュース性:現在に近い過去や未来のクラスや学校の行事等を盛り上げたりする話題を提供する
  • 記録性:記録としての保存性がある

 このような役割を持つ新聞作りが活発になることによって、学校や学級独自の文化が形成されていく。作った学校新聞を学区の小学校に送ることで、中学校の様子を小学生に伝え、中一ギャップを解消することに貢献することもできる。

 そして、「生徒に主体性を持った考え方ができるようにする」ことがとても大切である。一つの出来事に対して複数の見方があり、新聞記事を鵜呑みにするのではなく、「常に一つの記事に対して自分はどう考えるか、という姿勢を持つことが必要なんだ」ということを教えたい。

参考 2014年 川崎市連合文化祭アンケートのまとめ

一年間でNIEを授業で行った回数

過去一年に行った数
1〜2
3〜4
5〜9
10〜20
20以上
学校数

学校に届く新聞と有料で購入している数

新聞の数
学校に届く学校数
11
有料で購入している学校数

質疑応答、議論

新聞が横書きなのはどうしてか

子どもはスマホなどで横書きに慣れているので、自然と新聞も横書きになってしまう。縦書きにする指導をすることはできるが、子どもの自然な書き方に任せている。

学級新聞、学校新聞作りに関して

かつてGHQの民主化政策の手段の一つとして新聞作りがあり、全国的に取り組まれていた。現在はそれほど活発には取り組まれておらず、高校のスクールジャーナリズムの衰退ということもある。身の回りを観察し、課題を見つけ、それをアピールしていくという新聞作りには、民主主義教育として大きな価値があるだろう。

どのようなことを新聞に書くか

他の教員や保護者に読まれることを意識すると、最大公約数的な意見しか書くことができず、その枠の中に子ども達を押し込めてしまうことになる。意見文という形で書いてもらうことで、より子どもの思考が深まるかもしれない。

 以上のようなやりとりがあった。報告では生徒達が書いた新聞を実際に見せていただいたが、全国新聞コンクールでも入賞されているのが頷けるクオリティの作品であった。これを作った生徒も指導された関先生もかなりの時間と熱意を新聞作りに費やしておられるのが窺えた。しかし、議論の中でもあったように、新聞にどこまで書けるかということは重要な問題であると思う。私が教師になったら、仲間の意見を知る媒体としての新聞作りを目指したい。