神奈川NIEミーティング

NIEミーティング議事録 2017年12月15日(金)

場所 神奈川新聞社10階会議室
参加者数 27名(OB・OGを含む)
内訳
教員20名( 小7、中8、高5名)・・・NIEアドバイザー6名を含む
大学関係者3名
新聞社より4名

プログラム

1、自己紹介、今日の紙面紹介

「森林環境税、出国税、横浜みどり税、水源環境保全税」「かながわ子どもサミット(広告)」「フクロウ」「映画」などの記事

2、校種別に別れての分科会

●実践校からの疑問や課題の提示

→それに関するNIEアドバイザーや大学関係者、新聞社からのアドバイスやコメント

◎その他、実践報告や意見等

小学校分科会

●1年生の担任で、現在どのように取り組ませるか悩んでいる。何かよいアイデアはないだろうか。

→日本新聞協会のHPには、いくつか実践例があり、参考にできる。興味を持った写真を発表させる例があった。

→カタカナ学習の後、新聞で「カタカナ見つけ」をして、いろいろ見つけて発表させた後、分類して、カタカナの使われ方を学習すると楽しい。

●6年生で、書画カメラで提示して、記事をもとに一人一人スピーチする「新聞トークタイム」を設けている。最近は受験モードに入り、取り組みが不十分になってきている。国際教室では週1回扱っているが、社会科部員として、教員全体への広がりが難しい。

→卒業を前に新聞社に投稿してはどうか。

→教員への広がりは、やって見せることで子どもが変化したら広がるが、教師が新聞を読まない昨今では、なかなか難しさがあるだろう。

●最近、NIE観や教師観をゆさぶるような、澱(おり)のようにあとから効いてくる学びについて考えている。子どもたちがある意味優秀で、スピーチタイムに新聞に載っている人物や出来事を発表するが、淡々として盛り上がらない。盛り上がった最近の例は、保育士の給与についてであった。

→NIE授業でワイワイ・ガヤガヤ言って盛り上がったか、という表面的なものに左右されず、「個」に着目して声を拾うべきである。@関心をもたなかったのはなぜか。A新聞の向こうにどのようなものを映像として浮かべてこられたのか。といった視点をもって、教師は個を見つめ、その変化を見取っていくべきである。個に応じた助言・赤ペンをすることで、子どもに新たな視座を与えることができる。

◎3年生に丸ごと与えている。ワークシートを作り、写真等を切りぬき、それでスピーチをしている。AIロボットなどで新聞に興味をもち、面白いかも〜といった反応がある。「新聞は情報」という部分を指導しきれていないのが課題である。

◎4年生で使っている。習慣化が難しく、こなす感が出ていたので、新聞を教室に置いてみたところ、子どもたち自身がオリンピックのマスコットキャラクターやスポーツ関連記事を自由に切り抜く様子が見られた。毎日取り組んでいないだけに、逆に盛り上がる。

中学校分科会

●テーマに関連する記事を使って、新たな新聞作りをする活動をしているが、もう一段レベルアップした活動をさせたいが、何かよいアイデアはないだろうか。

→東京(中日)新聞の「新聞切り抜き作品コンクール」の入選作品集など、お手本になるようなものを入手して提示・掲示してはどうだろうか。

●生徒に投書をさせてみたいが、3年生ということもありなかなか興味を示してもらえない。何か手立てはないものだろうか。

→書くことの前に、投書を読ませたり、人生相談に自分なりの考えを書いてみたりするなど、段階を踏むことが必要ではないか。成果物や結果をムリに求めることは好ましくないのではないか。

●「県中学校・高等学校新聞コンクール」(主催・神奈川新聞社など)の審査を担当しているが、近年、応募数が減少傾向にあるのがとても気になっている。どうしたらよいだろうか。

→案内を発送する時期や宛先も工夫する必要がありそうだ。

→近年、学級新聞やPTA発行の新聞で競い合うという環境はなくなってきているのではないか。

→主催者側として、どこに原因があるのか、分析することも必要ではないか。

◎これまでの議論を通して、「新聞を活用する必然性」を考えた取り組みが求められていると感じるが、如何だろうか。新聞のある風景やNIEの風土づくりが大切だと感じる。

◎「かながわ新聞感想文コンクール」で本校の生徒が最優秀賞を受賞した。日頃、コツコツと努力している生徒を評価してもらえる審査のあり方は、NIEに取り組む生徒や教師のモチベーションをアップさせる。

高校分科会

●その日の新聞は、まず職員室に持ってきて職員が目を通し、その後、図書室で生徒が読むスタイルにしたが、教師の役割がうまく機能せず、新聞が職員室にたまってしまい上手くいかない。

→生徒の読みやすい場所(職員室の前の机、談話コーナーなど)に置いて、生徒が気軽に目にする・手にとることができるようにすると良い。

→新聞を移動させるのは当番ではなく、決まった教員が行うようにすると良い。

→日にちがたった新聞は、生徒に自由に持って行かせるのもよい。

◎国語科の実践として、新聞記事やコラムを資料記事として取り上げて小グループで重要語の理解、論旨のポイント整理などをしながら読み込み、その結果を発表させている。聞く側の生徒は、発表に対する評価表を作成するという方法で新聞記事を活用している。

◎社会科の実践として、「新聞記事」を新鮮なニュース報道としてとらえた場合、時間経過による事件・事象の変化を読み解くことも一方では大切だ。

◎教科によって新聞記事の扱いかたの視点が異なってくることがわかった。