神奈川NIEミーティング

NIEミーティング議事録 10月21日(金)

場所 神奈川新聞社
参加者数 23名
司会 村山正子(神奈川NIE推進委員会事務局)
記録 星野智也(神奈川県立座間総合高校教諭)
内容
今回は、実践校に新聞が配達され始めた時期ということで、現在の様子や困っていることなどを相談する会とした。前半は実践校を中心とした内容報告、後半はグループに分かれて自由討議。

実践校を中心とした内容報告

テーマは「こんなふうにやっている(工夫)」「相談したいこと(悩み)」

A(中) 「無理なく、楽しく、負担なく」広げる工夫をしている。先生方の反応もよい。その場で記事を切り抜く作業が生徒にはとても新鮮だ。

B(中) 実践校ではない。今回2回目の参加。校舎内のあちこちに切り抜きを貼っている。記事がたまってしまいニュースでなくなるのがまずいと思う。

C(高) 今日の新聞は持ち出しにくいが、前日のものは持ち出しOK。1年教室が5Fなので、2Fの図書室になかなかいけないのが悩み。

D(高) 中間テスト返却のとき(普段自主的には手に取らない)新聞を読ませている。調べ学習で使ってほしいが、新聞は「字が多すぎ」と敬遠される傾向あり。

E(小) はじめは写真、マンガから親しみ、今年6年担任なので記事内容に入った「スポーツ・事件・事故」などの記事を切り抜きさせ、選んだ理由とさらに他の生徒3人が感想を書く欄を作る。「事実に対し、自分はどう思うか」のスタイルを作りたい。

F(中) できるだけ生徒に記事を見てもらおうと、職員室前の20人ほど座れるロビーの植木を取り払い7紙すべて一ヶ月並べ置けるスペースを作った。

G(中) 8月「オリンピック報道」が紙面を占めるなかA4の紙に自由に記事を選ばせ、選んだ理由とともに、オリンピック報道には赤●、それ以外は青●をつけさせた。8月6日「パシフィコ25周年」など横浜ならではの記事にも価値がある。

H(小) 6年生の教室で、グループ討議から意見文を書かせる出前授業をした。地域活性化など子どもなりの視点で書かせてみた。

I(小) 代表委員会の担当なので、それを利用して広めようと考えた。大ホールにリオ記事を貼りまくり、人気記事に投票する光景をビデオ編集し、管理職にも理解を得た。

J(小) データベースにどの単語を入れれば、目標の記事にたどり着けるか研究した。日直が気に入った記事を紹介する実践を行っている。

K(中高) 模造紙1枚に切抜きを貼るという課題を中3で行った。オリンピック記事ばかりになったが、切り抜き方に多様な個性が見て取れた。

L(小) 教室近くに新聞を置き、まず目に触れるようにする。教師が気になった記事を子どもたちに見てもらい付箋に意見を書いてもらった。

M(高) 「現代文B」第3試験、漢字30題(30点分)は、最近の新聞記事から出題。毎時間の漢字小テストは、たとえば10月1日朝日夕刊「ウルトラマンと沖縄の苦悩」を教員が丸ごと読み、指摘した漢字をその場で練習しテストするスタイル。

N(高) 新聞を置く台を作ってもらった。生徒や教員の新聞への関心度は高い。「最近気になるニュースは何ですか」には生徒から「毎日やりたい」との声もあがる。

О(小) 9月から3紙とっている。毎日ホチキスでとめ、6年の教室前に持っていく。朝読書。スクラップも薦めている。

P(中) 社会科で授業の前に気になった記事を発表する。今日なら「ドラフト」「米大統領討論会」。地理で関東地方を扱っており、関連記事を発表させている。

Q(小) 毎日・朝日子ども新聞のホセ・ムヒカ大統領来日の記事を紹介したり、微笑む写真を教室に貼ったり…。勉強できない子どもも写真は見る。

グループに分かれて自由討議

 この後、影山先生、事務局村山氏、赤池会長から一言ずついただき、2グループに別れて討議を行った。

 新聞は丸ごと渡したらいいのか、切抜きがいいかが討論のきっかけとなった。

 子どもたちの意欲的な取り組みを引き出した例などが紹介されたが、影山先生の「新聞にそんなに時間取れないよね。成功例ばかり並べても現実的な悩みの解決には結びつかない。新指導要領では英語教育の充実がうたわれているから、朝読書が朝英語になるのでは。」との指摘が鋭かった。

 「中高では、3月が比較的時間が取れる時期だから、そこでNIEを広める取り組みを考えたらどうか」の意見も出た。

 「新聞の切り抜きをしても、なかなか教員に関心をもってもらえない」という司書の悩みが報告された。学校図書館の位置づけ、教員と司書の連携はこれからの課題になりそうだ。

 午後8時を30分も超える盛り上がりを見せたミーティングだった。