神奈川NIEミーティング
NIEミーティング議事録 2018年4月20日(金)
内容
1.記者の話1「東京新聞の作り方」 東京新聞 横浜支局長 野呂法夫
2.全国高等学校NIE研究会 第16回全国大会の報告
1.記者の話1「東京新聞の作り方」 東京新聞 横浜支局長 野呂法夫
- 1)東京新聞って、どんな新聞
- 護憲、脱原発、地域、くらしが4本柱
- 2)ジャーナリズムとは
- @権力監視
- Aケアジャーナリズム 市民が困っていることを扱う
- 横浜支局報道から いじめ問題を扱う・・・ケアジャーナリズム
- 茅ヶ崎小5いじめ問題、横浜原発避難者いじめについて
- 学校は後手に回り、適切な対応できず。新聞記者の限界はある。しかし、弱い立場で苦しんでいる児童、生徒をつくらないことがケアジャーナリズムとして大切である。
- 3)フェイクニュースの氾濫
- @SNSの発達・ネット右翼の台頭 Aポスト真実の時代 B放送法4条撤廃の動き(放送制度改革案)
- 戦争が起きたら真実が伝えられるか。「正確な情報が最も大切な民主主義の貨幣である」=トマスジェファーソンのことばの重要さ
- 4)メディアリテラシー(見抜く力・判断力)をどう養うか
- 5)横浜支局の報道
- @福島のいじめ問題 A振袖レンタル会社「はれのひ」
- 6)新聞記者の仕事を知る本・・・新聞記者は何をしているの
- @ 東京新聞・望月衣塑子記者『新聞記者』(角川書店)・・・千葉支局と横浜支局で県警を担当、熱心に夜回りをしていた
- A 日本テレビ・清水潔記者『殺人犯はそこにいる』(新潮文庫)・・・足利事件を掘り起こした 桶川ストーカー事件も
- B 元朝日新聞・隈元信一記者『永六輔 時代を旅した言葉の職人』(平凡社新書)・・・永六輔を取材、永六輔は在野(世間師)のジャーナリストであり、「応援歌のようなジャーナリズムを実践した人」
- C 琉球新報社編集局編著『沖縄フェイクの見破り方』(高文研)
- 質疑
- Q.学校への取材で、いじめた本人に対してはどうしているのか
- A.学校問題では生徒は未成年者で保護される対象。なるべく両親に取材し匿名で思いを伝える。いじめたものは悪いが、最後は管理責任者である組織としての学校への記事となる
- Q.記事にするとネットで実名が出たりする。どこに、スタンスがあるのか。
- A.福田財務次官のセクハラ問題で女性記者の録音が問題視されているが、「報道取材に盗聴という言葉を当てはめてはならない」。録音も取材である。他のメディアに情報を提供した点は「権力ある者に対しては公益性・公共性がある」ということ勘案して見てほしい。
2.全国高等学校NIE研究会 第16回全国大会の報告
期日 2018年3月24日(土)、25日(日) 横浜情報文化センター・日本新聞博物館
- 星野氏から
- 全体説明・・・横浜で開催、盛況であった
- 尾高氏(新聞博物館館長)から
- 新聞博物館の教育連携活動・・・村山氏など図書館関係者でキットづくりも
- 木南氏
- 教科書の中の新聞〜高等学校の国語教育におけるNIEの可能性を探る・・・改定でより多く新聞が取り上げられる
- 金子氏
- 高等学校におけるNIE実践前に必要な教材作成に関する一考察・・・これからの教育にふさわしいNIEに経済的視点を考えることが重要
●新聞記者の生の声を聞けて、好評であった。内容が盛りだくさんだったため時間が足りなかったが、最近では最も多い参加者33名で関心の高さがうかがえた。